Aさんとの出会い

老人ホームを併設した病院があります。

ここに、Aさんが入ってきました。

最初は歩くことを怖がっていましたが、ウォーカーで歩く練習を始めました。

自分が十分に動けない時でも、同じ部屋の利用者さんに声をかけて、ご飯を食べるように励ましていました。

痩せてきた、食事の栄養が足りないのではないか?と心配し、おやつを買って食べようとして、スタッフに注意されました。諦めずに管理栄養士に相談して、ご飯の量を増やしてもらいました。

 

おせっかいだ、言いすぎると一部の人は思いました。それでもスタッフは関わり方を見直して、なるべく丁寧に対応しました。本人も「私って嫌われてる?言いすぎるかなぁ」と時々気にしていました。

 

時間が経ち、生活の中で、体操や歩く練習を続け、歌を歌って喉を鍛え、折り紙の作品を沢山作りました。最近は折り紙で吊るし飾りを作り、スタッフにプレゼントして、受付に飾られました。休み時間に自主トレや作品作りで手足を使い、また周りの人と交流されています。

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「トイレに1人で行きたい」「また料理をしたい」と具体的な目標や夢を話してくれます。

 

文句を言う日もあったけれど、周りの人を動かし、運を動かして、生きています。

 

今ではつたい歩きでトイレに行き、ウォーカーで歩くことも慣れてきました。料理のレシピを見て、作りたいメニューを考えています。

ふるさとにある、希望の施設に入所が決まり、もうすぐ退院です。Aさんと出会えて、色々なことを学びました。

 

何気ない会話をしたり、ご本人の興味を引き出したり、一緒に練習したり、マッサージしたり…

AIが発展してきても、やはり人間の役割はあると思いました。

 

お読みいただきありがとうございました。